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2014.9.30(Vol.064)
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こんにちは、メルマガ 「こんぱす」です。
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中国事情~上海の風Ⅱ ■ 第63 回 □
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☆皆さんこんにちは、中国保険ブローカーの嶋倉です。
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今月は次のテーマでお送りします。
「事故が起きてからでは手遅れ。 ~保険の重要性~」
先月8月2日に上海からほど近い江蘇省昆山市の中栄金属製品有限公司の工場で大規模な爆発事故が起きました。
死者はおよそ80人、負傷者は180名以上。これほどの事故は中国でも中々起きません。
今回はこの事故から保険の重要性について再度考えてみたいと思います。
事故が発生したのは土曜日の昼間でしたが、非常に大きな事故だったためすぐにニュースが流れました。
私もニュースを見て、すぐに江蘇省でお付き合いのある保険会社へ連絡を入れ、状況確認を試みました。 >
保険会社からの情報では事故が大規模だったため、事態を重く見た中央政府から人材が送り込みこまれ徹底した調査が行われたようです。しばらくの間、保険会社のサーベイヤー(査定人)も敷地内に入れなかったそうです。
後日、保険に関するニュースも流れて来ましたが、労災(社会)保険の上乗せ保険は未加入でした。
労災保険の上乗せ保険とは、労災事故が起きた時に労災保険でカバーされる範囲以外に、企業が法的に負わなければならない部分の責任をカバーする保険です。
かなりの数の従業員が重軽傷の怪我を負いましたが、今回の場合は全て労災事故扱いになるはずです。
そうなるとこの保険に加入していないだけで、企業は自費で賠償することになり、たちまち経営に大ダメージを与えることになります。
特に今回のように大きく報道され、かつ死亡者が出ている場合は大変です。
もちろん保険的に見て、人が1人亡くなった際の賠償額の“相場”はあります。
その“相場”は年々高くなってきており、裁判所の判決が出るまで実際にどのくらいの金額になるかわかりません。
この事故ように全国から注目された事故の場合には相場よりも高い賠償額になることが良くあります。
さらに、このような事故の場合、会社の役人は責任問題を追及されます。そのような場合には会社役員賠償責任保険(D&O保険)というものが対象の保険になるわけですが、恐らくその保険にも加入していなかったでしょう。
(ちなみに私が出向している金誠国際保険経紀有限公司はしっかりとこのD&O保険に加入していて、従業員に証券のコピーが一斉にメールで送信されてきました。)
事実、後日この企業の董事長(トップ)は中国政府に拘束されました。
恐らく事故発生について監督管理を怠ったとして、何らかの責任を追及されると思われます。
工場の保険では日本の施設賠償責任に当たる公衆責任保険の有無も注目される部分です。
少なくとも爆発により近隣の工場に被害が出ていれば、その部分も賠償しなければなりません。
その他の保険についても、実際はどうなっているか調べきれませんでしたが、恐らく杜撰な管理がされていたのではないでしょうか。
中国ではこういった「内」から起こる事故と、自然災害など「外」から起こる事故のリスクもしっかりと管理しなければいけません。
一旦自然災害が起こると、その被害規模は日本とは比べ物にならないほど大きなものになります。
実際に私も上海で生活をしていて、テレビでしか見たことのないような雷や豪雨を目にしています。そのため保険への加入は必須なのですが、特に日系企業の場合は余程大きな企業でない限り、管理職に就く日本人も営業や製造の部署出身の方が多いため、そこまで気が回らなくなる場合が多々あり、安易に「事故が起きたらそれから考えればいい」といった考えかたの方も少なくありません。
しかし、今回の事例で分かるように、そのような事故であっても、その規模によっては1つの事故で企業がつぶれてしまうこともあります。
後回しになりがちな保険ですが、事故が起きてからでは手遅れです。中国のカントリーリスクのみではなく、様々なリスク管理が求められるのではないでしょうか。
それでは今月はこのあたりで失礼します。
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「外国人就業証。これが無いと就業できません。」
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